蟻の兵隊
約2600人の日本軍兵士が、終戦後も中国・山西省に残り、中国共産党軍と戦ったという、
不可解な史実は、いまもそれほど多くの人に知られていないのではないか。
歴史の闇に埋もれていたとこの事件を、ドキュメンタリー作家・池谷薫は、元兵士たちに
寄り添い、彼らの証言を掘り起こし、世に問うた。
池谷作品の登場人物によれば、「蟻の兵隊」と呼ばれた2600人は当時の上官から、
その後も戦い続けることが天皇の命令であると吹き込まれた。
それは、その上官自身が日本に逃げ延びるため、中国国民党軍に差し出した兵力であった。
そうした埋もれた「事実」が、インタビュイーの中心人物である奥村和一たちの
証言や調査から浮かび上がっていく。2600人のうち550人以上が戦死した。
帰国した奥村たちには、その期間の?軍人恩給が支給されなかった。
奥村たちは、上官に“売られた”被害者であると主張する。
だが、それは日本側の内部の話であり、中国側からすれば、日本軍兵士たちは
だれであろうと圧倒的な加害者であることは否定できない。
そのことは奥村たちの心的外傷(トラウマ)となっている。
池谷は奥村に付き合い、中国山西省に赴く。奥村の山西省訪問の目的は、
中国側が保管する旧日本軍の公文書を調べて事実を突き止めること。
そして、初年兵であった奥村自身が罪のない中国の若者を
「肝試し」と称して殺害させられた場所で、線香を焚き慰霊をすることであった。
以前先輩が新宿大久保のとある店で
ご本人を招き上映した時に観る事ができました。
歴史と言うのは都合よく塗り替えられることもあり
その影で苦しみ続けて生きた人達をみると
人が人を殺させる戦争とは?
強く考えさせられます。
興味のある方は是非ご覧ください。
歴史に真実がないことを私は知っているつもりです。付け焼刃の戦争知識しかない私ですが、マクロ史観での戦争という事象を大鉈で割って裁くことのできないミクロな人生が前大戦を形作り、時には運であり、時には恣意的な命令であったにせよさまざまな人たちの人生を狂わせ、そしてそれは幸せでも不幸せでもなく、私たち自身、経験を超える経験ができないものである事を踏まえた上で、ただ知っていくことこそ重要なのだと考えたいです。
返信削除そうですね。ただ知っていくことこそ重要。そうなんですよね~ いつだって答えは人それぞれ、何一つ興味を持たず幸せに過ごす人もいますしね。人が人を傷つけ、無駄な涙が流れないような世の中になる事を切に思います。光も闇もお互いを照らし合う訳ですが、手に余る欲を持たない事が人には難しいなんて、時々寂しくもなりますね~
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